ロボアドバイザーとは

投資のロボアドバイザーはなぜ誕生したのか?

2001年のエンロン事件(エンロン社の簿外債務隠蔽などの不正による倒産事件)をきっかけに米国で誕生し、2010年以降にベンチャー企業がミレニアム世代(インターネットが普及した環境で育った世代)を中心にサービス提供を拡大させました。

なぜエンロン事件を契機に、ロボアドバイザーが誕生したのでしょうか。

それは、エンロン社が破綻前に、従業員に対して確定拠出年金を自社株で運用するように要請していたことが背景にあります。エンロン株は暴落し、従業員は大きな損失を受けることになったのです。さらにエンロン社の不正が明るみに出たあとも、アナリスト達はエンロン株を買い推奨していました。

そこで人の主観を排除し、システムによる金融資産のポートフォリオ構築の重要性が問われることになり、その結果ロボアドバイザーが誕生したのです。

これは一般の投資家にも当てはまります。相場の動きは時に心理的プレッシャーを与え、その結果投資家は冷静な判断を下すことが難しくなります。プログラムであるロボアドバイザーに任せることで、そのような心理的要因による損失は回避できます。

エンロン事件の内容の詳細は上記文献にもまとめられています。映画のような展開で読み物としても非常に面白いです。

投資のロボアドバイザーの活用方法は2通りある!

投資のロボアドバイザーが提供するサービスは、投資のアドバイスと運用代行の2種類あります。

すでに投資活動はしているものの、どうにも運用がうまくいかないという人は、『アドバイス型サービス』が活用できます。

これは最初のロボアドバイザーからの質問の答えに応じて、AIが最適な投資先をアドバイスしてくれるというものです。あるいはすでに保有しているポートフォリオの運用状態を分析してくれます。なんとなく知ってる大手の会社に投資しているだけの人も多くいるでしょう。

そして、投資活動に時間は避けない、または投資に関する勉強は難しいという人には、実際に投資商品を売買する『運用代行型』がおすすめです。

こちらは最初にいくつかの質問に答えることで、AIが最適な運用方法を分析して投資先の構築を行い、あとは投資アルゴリズムに従って運用されます。

証券会社が力を入れているのは、このロボアドバイザーによる自動運用です。投資先は日本国内に限らず、世界中に分散しているケースが多くみられます。

投資のロボアドバイザーの利用方法

ロボアドバイザーは自動運用(おまかせ運用)で実際の投資活動を任せてしまうのが便利です。この場合、いくつかの質問に答えて、リスクの許容度などを判断し運用スタイルを決めます。あとはそのリスク許容度などをもとにして、株式や債券、不動産などに資金を分散して運用してくれます。

通常の投資との違い

通常の投資には、いくつかの段階を経る必要があります。まず自分で投資について勉強し、次に専門家などのアドバイスを受けて、最後には自分の判断で購入する金融商品を決めます。自分の資産に対してどの程度投資に回すかなどのポートフォリオの検討も同じくです。

投資信託は運用そのものを任せるものですが、どの金融商品を選ぶかは、最終的に自身の判断となります。そのための知識は十分に得なければなりません。

投資のロボアドバイザーはアルゴリズム(人の手によるプログラム)があらゆるデータを基に金融商品を分析して、収益を得る可能性が高いものを選びます。また人間のように感情がないので、相場が急変しても淡々と投資活動を行えます。

さらに一度組んだポートフォリオも、金融商品の値動きに応じて分散の配分を再構築するものが多いようです。たとえばリスクの許容度が高ければ株式の比率を高めますが、その時価評価額が大きくなると自動的に株式の比率を下げて、債券などの比率を高めリスクヘッジをするといった形で運用します。これは非常に良いですね。

最近なにかと話に出るポイント投資も要チェック

ロボアドバイザーの利用におすすめの人

投資のロボアドバイザーをおすすめしたいユーザー層は、若年層の女性と60代以降のシニア世代です。

MUFG資産形成研究所が2018年9月に発表した「金融リテラシー1万人調査の概要」によると、若年層の男性は投資の実施比率が高く学習意欲も高い反面、若年層の女性は投資の実施比率が低く学習意欲は高いものの金融知識の水準に自信を持てない割合が多いとしています。

ただしインターネットや日常生活で使用するスマホアプリの活用率は高いとの調査結果もあり、スマートフォンで簡単に利用できる投資のロボアドバイザーが役立つのではないかと思います。

一方で60代のシニア層におすすめの理由は、選択肢の幅を絞り込める点です。これから投資活動を始めようと、たとえば投資信託を購入しようとしても、その種類は膨大にあります。そこで銀行などで相談しようとしても、そのアドバイスは銀行あるいは担当者によって品質が左右されます。

投資ロボアドバイザーであれば、アルゴリズム通りの判断をするので客観的な提案あるいは投資活動を行います。属人性がないので、安心して任せられます。

どちらも「投資のきっかけがあると良い」ユーザー層であると言えます。

上記参考に2019年5/22現在の銀行の預金金利を見てみます。

普通預金平均金利:0.001%

という逆の意味で驚異的な数値を叩き出しています。万が一の銀行潰れるリスク考えたら預けなくても良いレベルの数値ですw

この国では銀行にお金を預けることのユーザーメリットが非常に少ない時代に突入しているため、投資という選択肢も考えていた方が良いと考えられます。

各サービスの説明

投資のロボアドバイザーによる自動運用は、さまざまな証券会社が行なっています。そこで、主な投資ロボアドバイザーサービスと、その内容を説明します。

2019年現在、そこそこに流行っているためサービス数も多くあります。

ウェルスナビ(WealthNavi)

ノーベル賞受賞者が提唱する理論に基づく金融アルゴリズム(問題を解く手順を定型化したフローチャート)を使って、利用者それぞれに合った資産運用を行うロボアドバイザーを提供しています。

6つの質問に答えることで、利用者に適した運用プランを提案します。自動運用は長期・積立・分散をバランスよく配合する形で中長期的なリターンを目指します。

リスク許容度について

運用成績はリスク許容度(どれほど収益がマイナスになっても許容できるか)によって異なります。2016年1月19日のサービス開始から2019年4月26日までの円建てリターンは次のとおりです。

リスク許容度リターン
1+9.1%
2+14.0%
3+17.0%
4+20.1%
5+22.1%

ウェルスナビ投資先:7つのETF

ウェルスナビが投資するのは、以下の7つのETF(上場投資信託)です。

① 米国株(VTI)
米国の株式3654銘柄に投資するETFです。

② 日欧株(VEA)
米国を除く欧州やアジアの先進国に投資するETFです。日本株(22%)を含む3906銘柄に投資しています。

③ 新興国株(VWO)
新興国の株式に投資するETFです。中国の比率が約3分の1となり、台湾やインドなどの株式に投資しています。

④ 米国債券(AGG)
米国の国債や社債など比較的リスクの小さい債券に投資するETFです。

⑤ 物価連動債(TIP)
米国政府が発行している物価連動国債に投資するETFです。

⑥ 金(GOLD)
金に投資しています。

⑦ 不動産(IYR)
米国の不動産市場(オフィスビル・ホテル・住宅など)に投資するETFです。

以上のETFに利用者のリスク許容度に応じた配分で投資しています。株式の高いリスクを債券でカバーし、不動産で安定的なリターンを得るというバランスに優れていることがわかります。

手数料は預かり資産3,000万円までが年率1.0%で3,000万円を超えると0.5%になります。最低入金額は銀行振込はありませんが、ログイン画面から手続きできるクイック入金は30,000円です。

ウェルスナビに投資した運用実績

さて実際にウェルスナビに投資しているユーザーの実績途中経過を見てみましょう。

出る利益に対しての手数料に疑問を感じるユーザーさんもいるようです。

また、
2019年5月にウェルスナビが減資を行いました。これには投資しているユーザーからも疑問の声が。

おそらく税務的な理由ではないかと上の方も書かれていますが、同じくの意見です。しかしここは上場会社への投資と違い、減資に対しての説明を必ず行わないといけないわけではありませんので、ウェルスナビに投資しているユーザーにとっては不安を感じるところですね。

フォリオ(folio)

好きなテーマで投資できるのが特徴のフォリオも、ロボアドバイザーによる自動売買サービスを提供しています。年齢・年収・預貯金を入力するだけで、運用プランを診断してくれます。

運用アルゴリズムは、ノーベル賞を受賞した「現代ポートフォリオ理論」をベースにしています。現代ポートフォリオ理論とは簡単に言えば、投資先を分散すること、その分散先は互いに影響を及ぼし合わない(相関関係にない)ことです。

フォリオ投資先

投資先は2018年10月時点で以下のようになっています。

① 株式(米国株・米国を除く先進国株・新興国株)

② 債券(米国債・新興国債・ハイイールド債)

③ 金

④ 不動産

以上を運用プランのリスク許容度に応じて配分し、自動運用します。ポートフォリオを自動で構築したあとは、その運用状況をモニタリングして必要があれば投資先の配分比率を再構築します。

こちらもウェルスナビと似たような構成ですが、債券に関してはハイイールド債(格付けの低い利回りが高い債券)にも投資することで、よりアクティブ(高利回りを狙う)投資姿勢であることがわかります。

最低投資金額は10万円、手数料は預かり資産が3,000万円以下で年間1%、3,000万円を超えると0.5%です。運用実績は公表していません。

フォリオ(folio)に投資した運用実績

順調に資産が増える人もいれば

がっつり資産を溶かす方もいて、まあ投資に絶対なんてないよなという原点に戻れますw

テーマ選びによって運用成績上下はするようですが、やはりマーケットに引っ張られるイメージを持ちました。

THEO(テオ)

年齢や金融資産額などに応じてポートフォリオ設定を行い、自動運用します。最低投資金額は1万円なので、初心者でも手軽に始めることができます。今まで投資経験無い方の投資のきっかけとしては始めやすい金額ですね。

手数料は預かり資産3,000万円以下が年間1%で3,000万円を超えると0.5%です。やっぱ手数料はどこもこんな感じですね。まさに成績によって高いと考えるか安いと考えるか決まってきそうです。


最初の質問による運用プランの診断では階層分析法という手法を用いて、

・19のリスク許容度
・3つのインカム重視度
・4つのインフレ

に対する感応度の組み合わせ228通りの中からひとつを選ぶようになっています。

THEOの投資先

運用先については、THEOでは次の6つのアセットクラス(値動きやリスク特性が似ているグループ)に分散しています。まあここらの投資先も各サービスによって大きく変わることも無い印象です。まあ堅めなとこに投資していきますわなw

① 先進国株
② 新興国株
③ 先進国国債
④ 新興国国債
⑤ リート・不動産
⑥ コモディティ

228通りの運用プランそれぞれの運用実績を公開しています。2016年3月31日から2018年10月31日までで、最も高いリターンは年率8.72%(年率リスク12.87%)、最も低いのは1.20%(同6.89%)となっています。

THEO投資運用実績

THEO+docomo(dポイント投資)

THEOとNTTドコモが提供する自動資産運用です。特長は預かり資産額に合わせて、毎月dポイントがもらえることです。たとえば100万円運用していると、毎月150ポイントが付与されます。運用の上下幅によりますが運用にプラスで0.015%分のdポイントを貰えるのは良いですね。

上記ページにあるように、dポイントは実はローソンやマクドナルドという皆さんの生活に身近なお店での支払いにも使うことができます。言ってしまえば現金と同じく使えるということですね。

ポイントあるあるで

「この貯まったポイントってどこでどう使えるのだろう?」
「グループのしょぼいサイトでしか利用できないなんて辛い…」

というのがありますw それもdポイントであれば回避可能です。身近なコンビニでも使えるのですからね!

話戻りますが、さらにdカードで買い物をした時、設定金額に応じて端数を「おつり」として自動で積み立てをしてくれます。

運用に関しては「THEO」と同じです。ひとつ上の項目を参考にしてください。

投資運用実績

マネラップ(MSV LIFE)

マネックス証券が提供するロボアドバイザーによる資産運用サービスです。最低投資金額は1,000円、年間の手数料は1%未満と手軽に始めることができます。

運用プランは3つの目的「ためる」「そなえる」「たのしむ」の中からひとつを選び、そのあとの質問に答えることで決まります。

運用商品はMSV内外ETF資産配分ファンドのAからHの8つのコースがあり、質問の答えによってこの中からどれで運用するか決定します。2016年10月1日からの運用成績は以下のとおりです(基準価額10,000円より2019年5月21日時点)。

Aコース|9,488円
Bコース|9,301円
Cコース|10,108円
Dコース|10,412円
Eコース|10,724円
Fコース|11,034円
Gコース|11,264円
Hコース|11,490円

AコースからHコースにかけてリスク許容度が大きくなっています。Aコースは国内債券がポートフォリオの74%、国内株式が9%であることに対してHコースは国内株式26%・外国株式43%・外国債券20%などとなります。

リスク許容度が低いタイプはリターンがマイナスになっています。全体的に運用成績は少し厳しい感じです。

楽ラップ

10万円から始められる楽天証券のロボアドバイザーによるお任せ資産運用です。16の質問に答えると、フィンテックベンチャーのFinatextと共同開発したロボアドバイザーが最適な運用コースを提案してくれます。

運用コースは債券の割合が多い「保守型」から株式の割合が多い「かなり積極的型」までの5種類と、下落ショック軽減機能が備わった4種類の計9種類が用意されています。下落ショック軽減機能(TVT)とは、株式市場の値動きが大きくなった時に一時的に株式の比率を引き下げる機能です。

手数料は、毎月固定型が最大で年率0.702%、成功報酬併用型が最大年率0.594%+運用益の5.4%となっています。

2016年7月4日の運用開始以来の運用成績は以下のとおりです。

保守型|+8.7%
やや保守型(VTVなし)|+14.4%
やや保守型(VTVあり)|+13.5%
やや積極的型(VTVなし)|+20.5%
やや積極的型(VTVあり)|+18.4%
積極的型(VTVなし)|+27.0%
積極的型(VTVあり)|+25.0%
かなり積極的型(VTVなし)|+31.5%
かなり積極的型(VTVあり)|+29.0%

リスク許容度が低い保守型でも、パフォーマンスは高いことがわかります。運用パターンはさほど多くありませんが、全体的に成績はかなり良いのではないでしょうか。

楽ラップの投資運用実績

クロエ

エイト証券が提供しているロボアドバイザーサービスです。1万円からの投資金額と手軽に始められます。手数料は1日あたり日々の時価評価額×0.88÷365で計算します。

クロエが投資するのは東京証券取引所に上場されているETFに限定している点で、ほかのロボアドバイザーと異なります。円建て投資となるために、為替変動のリスクがありません。

ETFの対象は株式・債券・短期金融商品・コモディティ(商品先物)・REITなどで、リスクの許容度に応じてその配分が変わります。運用スタイルは積極型・保守型・安定型の3種類です。

ロボアドバイザーのアルゴリズムや運用成績に関する情報開示はありません。

ダイワファンドラップ オンライン

大和証券が提供するロボアドバイザーサービスです。アルゴリズムは現代ポートフォリオ理論をベースにしています。定期積立サービスで、月々1万円から投資できます。

運用管理は単に高い収益性を求めるのではなく、「ゴールベース資産管理手法」をもとに行っています。そこで利用者は、まず質問に答えて目標(ゴール)の実現可能性診断を行います。そのゴールを目指した運用利回りを算出し、資産配分を構築して投資対象銘柄を選定する流れとなります。

手数料は年率1%プラス信託報酬などの0.17〜0.27%です。投資対象は以下のとおりです。

① 日本株式
② 外国株式(ヘッジあり・ヘッジなし)
③ 日本債券
④ 外国債券(ヘッジあり・ヘッジなし)
⑤ J-REIT
⑥ 外国REIT(ヘッジあり・ヘッジなし)

まとめ

ロボアドバイザーでも投資アルゴリズムや投資先によって、運用成績に違いが出ます。まだロボアドバイザーのサービスがスタートしてから年数があまり経っていないので、現状ではリスク許容度が高い運用スタイルが良い成績を出しているようです。

しかし今後の金融情勢がどう変動するかわかりませんし、あくまでも自分の投資スタイルを反映させた形で運用を任せるのが良いかと思います。

形はどうあれ、「投資は自己責任」は変わらずですので、ロボアドバイザーで投資の際もよく検討の上行って頂ければと思います。

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