会社の成り立ち

ANA(全日本空輸株式会社)は1952年に設立した日本ヘリコプター輸送株式会社が始まりです。1953年には東京と大阪の間の貨物輸送をはじめとして営業路線を拡大し、1957年に社名を全日本空輸株式会社に変更しました。1964年にボーイング社のジェット旅客機導入し、1971年には国際便不定期就航を開始しました。1986年には国際便を定期便とし、国際線への進出も進めました。

一方でJAL(日本航空株式会社)は1951年に旧会社が設立され、1952年に国内線定期航空輸送事業を開始して1953年に日本航空株式会社法の定めるところにより日本航空株式会社として設立されました。さらに日本国内唯一の国際線定期航空運送事業の免許会社として、東京・ホノルル・サンフランシスコ線を開設しました。1987年には完全民営化しましたが、2010年1月に会社更生法を申請して経営破綻、京セラ創業者である稲盛和夫氏の元で再生し2012年9月に株式の再上場を果たします。

配当状況

ANA[9202]とJAL[9201]それぞれの過去3期における配当は以下のとおりです。データは決算年月・配当金額・配当月始値・配当利回りとなっています。ANAもJALも単元株は100株です。

ANA 決算年月配当金額配当月始値配当利回り
2016年3月期5円328円1.52%
2017年3月期6円340円1.76%
2018年3月期60円4,250円1.41%

ANAは2017年10月1日に普通株式10株につき1株の割合で株式併合しています。これにともない、単元株も1,000株から100株に変更されています。

JAL 決算年月配当金額配当月始値配当利回り年間配当利回り
2016年3月期120円4,140円2.9%
2017年3月期94円3,700円2.54%
2018年3月期中間52.5円3,775円1.39%
2018年3月期末57.5円4,230円1.36%2.75%
2019年3月期中間55円4,040円1.36%2.72%

2018年3月期より中間決算時の配当もあるので、年間の配当りを記載しています。

こうして比較すると、配当利回りに関してはJAL[9201]のほうが上回っていることがわかります。ちなみに配当性向(利益を株主にどれだけ還元しているかの指標)は、ANAは年々減少して2018年3月期は14.4%であったことに対して、JALは28.7%とかなり高いものです。

配当余力(配当を行う原資がどれほどあるか)を見てみると両社ともに22年強なので、この配当性向は妥当なものであることがわかります。

優待状況

次にANA[9202]とJAL[9201]それぞれの株主優待についてご紹介します。

まずANAですが、3月末と9月末に株式を100株主以上保有している株主にANA国内全路線の搭乗優待と、ANAグループ各社・提携ホテルで利用できるクーポン券が送られます。

有効期限は6月1日から翌年5月31日の1年間と、12月1日から翌年11月30日までの1年間です。

搭乗優待は400株までは100株あたり1枚、それ以上は保有株数に応じて200株ごとに1枚から800株ごとに1枚となります。割引率は片道1区間の普通運賃の半額です。

クーポン券の内容は以下のとおりです。

・IHG・ANA・ホテルズグループジャパンでの割引(宿泊料金20%割引券6枚・レストラン10%割引券5枚・ご婚礼飲食10%割引券1枚・宴会会議室15%割引券3枚)
・国内・海外パッケージツアー商品の割引(7%割引券1枚)
・空港内売店でのお買い物割引(空港内売店免税店10%割引券5枚)
・ゴルフプレー料金の割引(「武蔵の 杜もりカントリークラブ」プレー料金優待4枚・「早来カントリー倶楽部」プレー料金優待3枚))

JALの場合も同様に、3月末と9月末時点での株主に対して、国内線片道1区間の普通運賃が半額になる割引券が送られます。枚数は株式1,000株までは200株あたり1枚、1,100株以上の場合には500株あるいは1,000株ごとに1枚加算される形で枚数が決まります。有効期限に関してもANAと同じです。

他にJALパックツアーが正規旅行代金から7%割引となるツアー割引券も国内・海外それぞれ1枚ずつ送られます。こちらは保有株式200株未満は年に1枚、200株以上なら年2回発行されます。このツアー割引券は、参加者全員の代金が対象となるので、かなりお得と言えるでしょう。

比較してみると、株主優待に関してはANAの方が充実しているような感じがします。

事業や商品/サービスなど

ANA[9202]の事業内容は航空運送事業・旅行事業・その他事業があります。航空運送事業は国内線・国外線旅客事業と貨物郵便事業、その他事業にわかれます。

JAL[9201]の事業内容も国内線・国外線旅客事業と貨物の航空運送事業とパッケージ旅行・クレジットカード事業などのその他事業となります。

JALは航空事業に主軸を置いていることに対して、ANAは商社事業や旅行事業にも力を入れているといった違いがあります。

業績

ANA[9202]とJAL[9201]の業績を過去3期(3月決算)の推移で見てみましょう。

数値は上から、売上高・営業利益・経常利益・自己資本比率・自己資本利益率(ROE)一株利益(単位は一株利益と自己資本比率・ROE以外は百万円)となっています。

ANA 項目(一株利益と自己資本比率・ROE以外は百万円)2017年2018年2019年
売上高1,765,2591,971,7992,058,312
営業利益145,539164,516165,019
経常利益140,375160,636156,681
自己資本比率39.70%38.60%40.90%
自己資本利益率(ROE)11.60%15.10%10.60%
一株利益28.23円417.82円331.04円
JAL 項目(一株利益と自己資本比率・ROE以外は百万円)2017年2018年2019年
売上高1,288,9671,383,2571,487,261
営業利益170,332174,565176,160
経常利益165,013163,180165,360
自己資本比率56.20%57.20%57.40%
自己資本利益率(ROE)18.10%13.30%13.60%
一株利益456.56円383.23円432.10円

こうして比較してみると、売上高はANAが上回るものの、利益率に関してはJALの方が上回っていることがわかります。

JALには経営破綻後に有利子負債を圧縮したことで、ANAに対してはアドバンテージがあります。この点も利益率の違いに現れていると考えてよいでしょう。

株価

ANA[9202]とJAL[9201]それぞれの過去5年間の株価(終値)推移を見てみましょう。カッコ内はその年の高値です(単位は円)。

ANA株価(終値)年高値
2014年299307
2015年350410
2016年314353
2017年4,7064,774
2018年3,9414,533

2019年4月26日時点で3,888円、年初来高値は4,173円です。

※2017年9月27日時点で単元株は100株に変更

JAL株価(終値)年高値
2014年3,600(6,110)
2015年4,356(4,940)
2016年3,415(4,509)
2017年4,408(4,467)
2018年3,891(4,504)

2019年4月26日時点で3,729円、年初来高値は4,127円です。

次にそれぞれのチャートを見てみます。ANAはゆるやかに上昇する75日移動平均線を25日と15日の移動平均線がともに下抜いています。当面は上昇転換する気配は見られません。JALも同様ですが、15日と25日移動平均線が75日のそれを下抜いてから少し経って上昇の気配も感じさせています。

ここでそれぞれの株価のPER(株価収益率)を見てみます。PERとは、株価が1株あたり純利益の何倍であるかを示す指標です。これが大きいと株価は割高に、小さいと割安と判断できます。

ANAは4月26日時点で11.74倍(過去の平均は12.18倍)でJALは8.62倍(過去の平均は9.42倍)となっています。ともに過去との比較では、やや割安であると判断できます。

まとめ

ANAもJALもほぼ同じような事業規模、株価推移を見せていますが、配当利回りと株主優待に関しては違いが見られます。配当利回りという面から見るとややJALに軍配が上がりそうですが、株主優待に関してはANAの方が得するような感じです。ただし今後の業績に関してはそれぞれ経営方針が異なるので、今のところはどちらが優位なのか判断は難しいと言えます。

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