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1 会社の成り立ち

すかいらーくの前身は、1962年に誕生した食料品スーパー「ことぶき食品」です。しかし西友などの大型スーパー進出により経営が悪化しました。そこでファミリーレストランの先駆けとなる飲食店「スカイラーク」を1970年にひばりが丘団地に出店したのが、すかいらーくの成り立ちです。

ちなみに同年にはケンタッキーフライドチキンが、1971年にはマクドナルドやミスタードーナツが1号店をオープンさせています。

2 配当状況

すかいらーくの配当金は、6月末(中間)と12月末(期末)の権利確定日時点で株式を保有していれば、受け取ることができます。単元株数は100株なので、100株の保有に対して配当金がいくらという形でもらえます。

すかいらーくの過去3期の配当金は以下のとおりです。

配当月初始値配当利回り年間利回り
2016年中間15円1,321円1.13%
2016年期末23円1,610円1.43%2.56%
2017年中間16円1,750円0.91%
2017年期末22円1,645円1.34%2.25%
2018年中間16円1,637円0.98%
2018年期末22円1,867円1.18%2.16%

利回りは、それぞれの配当月の月初で株式を購入した場合の計算になります(カッコ内は月初の始値)。利回りのあとのカッコは、年間の利回りです。


配当金は据え置かれているので、株価の上昇にともなって配当利回りはやや低下しています。それでも、株主優待が別にあることを考えると、優秀な数字ではないでしょうか。

ちなみに2019年の配当は、中間9円・期末10円の合計19円と減配を予定しています。

3 優待状況

すかいらーくでは、年に2回(6月末基準日と12月末基準日)株主へ優待カードを送付しています。送付日は6月末基準日の株主へ9月に、12月末基準日の株主へは3月となっています。

優待カードは保有株式数に応じて、金額が違います。2019年3月時点での内容は以下のとおりです。

保有株式数贈呈金額(6月)贈呈金額(12月)
100〜299株3,000円(1.83%)3,000円(1.83%)
300〜499株9,000円(1.83%)11,000円(1.96%)
500〜99915,000円(1.83%)18,000円(1.93%)
1,000株〜33,000円(2.01%)36,000円(1.93%)

カッコ内はそれぞれの利回りです。2018年の6月と12月の頭に株式を購入したとして計算しています。それぞれの株価(始値)は以下のとおりです。

株価始値
2018年6月1日1.637円
2018年12月3日1,867円

1,000株購入すると、年間の優待利回りは4%近くになります。配当利回りも加えると、6%以上とかなりの高利回りになることがわかります。

この優待カードは、株式会社すかいらーくレストランツが運営している店舗で使用できます。具体的な店舗は以下のとおりです。

cafeレストラン ガスト
バーミヤン
Jonathan’s
しゃぶ葉
夢庵
ステーキガスト
グラッチェガーデンズ
藍屋
魚屋路
和ごはんとカフェ chawan
いろどり和菜 みわみ
ゆめあん食堂
とんから亭
かんかつ かつ久
から揚げ専門 から好し
中華 ばーみやん軒

このほかにも、二ラックス株式会社が運営する7店と株式会社トマトアンドアソシエイツが運営する2店でも使用できます。このように、数多くの店舗で利用できるのが、すかいらーくの株主優待の魅力といってよいでしょう。

使用方法ですが、額面の範囲で500円単位で割引という形になっています。

4 事業や商品/サービスなど

すかいらーくグループは国内と台湾にファミリーレストラン・ブッフェレストラン・各種施設内の飲食店・洋菓子専門店・洋惣菜専門店など合計約3,000店舗を展開しています。グループ会社は、以下のとおりです。

株式会社すかいらーくレストランツ
二ラックス株式会社
株式会社トマトアンドアソシエイツ
株式会社フロジャポン
株式会社すかいらーくD&M
株式会社ジャパンカーゴ
雲雀國際股份有限公司

提供する商品・サービスは和食・洋食・中華などの食事です。

5 業績

すかいらーくの業績の推移を見てみましょう。過去3期(12月期連結決算)は以下のとおりです。

数値は上から、売上高・営業利益・経常利益・一株利益(単位は一株利益以外は百万円)となっています。さらに2019年の予想も発表しているので、最後に記載しておきます。

2016年2017年2018年2019年予
売上高353,513359,445366,360370,000
営業利益31,23928,10822,85722,000
経常利益28,95223.51918,59618,000
一株利益93.5779.3658.0455.8

※単位は一株利益以外は百万円

2019年の配当を減配予定としているのは、このように業績が減益予定となっているためです。

売上高は増えていますが、利益率が減少していることがわかります。原因は、販管費の割合が上昇しているためのようです。

すかいらーくでは従業員約10万人のうち、毎年5万人ほどのアルバイトが学校の卒業などを理由に退職しています。その採用と人材維持が厳しいことにより、人件費率の上昇が収益を圧迫しているようです。

飲食業界に限らず人手不足はどの企業にとっても大きな課題となりますが、すかいらーくではその対策として、深夜営業の短縮を進めています。しかし、人手不足の解消とコスト削減を目指していますが、なかなか成果が出ないようです。

2019年2月にもアルバイト時給引き上げによる減益もありました。短期で見ると厳しくも見えますが、他店とのアルバイトの取り合いによるアルバイトの流動性を抑える意味で長期視点では良い試みと考えられます。

しかし株主優待の負担が重くのしかかっている問題もあります。およそ45億円という莫大な優待は、株主に対しての餌であり、優待により株価が保たれている状態であるとも考えられます。もし、株主優待の半減または撤廃を発表した暁には、株価が下落することは想像に難くありません。

6 株価

すかいらーくは2014年10月9日に上場したので、株価データは2014年からとなります。それぞれの年末時点での株価は以下のとおりです。カッコ内はその年の高値です。

株価年高値
2014年1,209円1,299円
2015年1,569円1,958円
2016年1,544円1,644円
2017年1,603円1,804円
2018年1,735円1,976円

ご覧のように、株価は順調に推移しています。2019年3月22日時点での終値は1,792円です。

信用買残と信用売残の比率を表す信用倍率を見ると、すかいらーく株の人気の度合いがわかります。

2018年9月28日の0.55(信用売残が信用買残のほぼ2倍)から2018年12月21日の0.08(信用売残が信用買残の10倍以上)にまで売り圧力が強まりましたが、その後は信用売残が減少して2019年3月15日には1.06にまで買圧力が増えています。

つまり、業績は厳しい状況にあるものの、株式を購入する投資家が増えているということです。

まとめ

すかいらーくは人件費高騰により、利益率の低下を課題としています。2019年は減配を表明していますし、株主優待に関してはまだ発表はありません。

すかいらーくの経営理念は、「価値ある豊かさの創造」です。世界経済の減速が色濃い現在において、生活の質を保とうという「すかいらーく」の理念に共感を覚える方は、応援の意味を込めて投資するのもよいかもしれません。

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