会社の成り立ち

1987年4月1日に国鉄(日本国有鉄道)の民営化に伴って発足しました。正式名称は「東日本旅客鉄道株式会社」です。

東北・関東・甲信越地方を中心に鉄道路線を有し、海外事業も展開しています。国鉄が保有していた資産を受け継ぐことで、構内売店やショッピングセンター、ホテルや住宅などの事業も手がけています。さらにSuica事業においては貸金業登録も行い、クレジットカードである「ビューカード」発行による手数料も収益源としています。

配当状況

まずはJR東日本の過去3期における配当金をご紹介します。

JR東日本の決算期は3月、中間決算は9月です。単元株は100株なので、たとえば2019年3月末日の決算で配当金を得る権利を得るためには、3営業日前の3月26日までに株式を購入するとして、

10,680円×100=106,800円

が必要になります。

※3月26日の寄り付き株価で計算しています

配当月配当月初の始値利回り年間の利回り
2017年3月期中間65円8,894円0.73%
2017年3月期期末65円10,180円0.64%1.37%
2018年3月期中間70円10,140円0.69%
2018年3月期期末70円9,800円0.71%1.40%
2019年3月期中間70円9,977円0.70%
2019年3月期期末70円10,735円0.65%1.35%

利回りは、それぞれの配当月(中間は9月、期末は3月)の月初で株式を購入した場合の計算になります。

JR東日本は配当金を増やし続けています。過去の配当利回りは年間で2%を上回ることもありましたが、だいたい1%台前半で推移しています。この10年の株価を見ると2011年3月に底値をつけてから、上下動を繰り返しながらも上昇を続けています。株価の上昇が先行する形で配当利回りはやや低めに推移する形となっているようです。

つまりJR東日本の株式運用においては、基本的に長期保有を前提にして、一時的な押しの値下がり局面では買い増しをするスタイルがオススメと言えるでしょう。

優待状況

JR東日本の株式を100株以上購入し、毎年3月31日時点で株主名簿に名前が記載されていれば、株主優待を受け取ることができます。

JR東日本の株主優待は2種類あります。株主優待割引券と株主サービス券です。

株主優待割引券は、保有する株数に応じて枚数が変わりますが、1,000株保有までは100株ごとに1枚を受け取ることができます。株主サービス券は保有株数にかかわらず、所定の枚数を受け取ることになります。

株主優待割引券は1枚につき1回、運賃および料金を2割引きとすることができます。また同時に2枚まで使用することが可能です。

ただし定期券や回数券は対象外となっています。またJR他社線にまたがる切符にも利用することはできません。つまりJR東海が運転する東京-新大阪の東海道新幹線では利用できないので注意しましょう。

対象となるのは、運賃・特急券・急行券・グリーン券・指定券です。

新幹線であれば、東北・上越・北陸・秋田・山形の各新幹線となります。たとえば東京-秋田の秋田新幹線で利用すると、7,120円が割り引かれる計算です。2019年3月1日の寄り付きでJR東日本の株式100株を購入すると、その代金は1,073,500円なので、株主優待利回りは0.66%となります。

株主優待割引券の有効期限は、6月1日から翌年の5月31日までの1年間です。

次に株主サービス券ですが、こちらはJR東日本の施設で利用できる割引券となっています。内容は次のとおりです。

・JRE POINT引換券1枚
・鉄道博物館入館割引券2枚
・東京ステーションギャラリー入館割引券2枚
・宿泊割引券(宿泊20%割引券・宿泊10%割引券)各3枚
・レストラン・バー割引券3枚
・駅レンタカー割引券3枚
・GALA湯沢スキー場 リフト割引券・レンタル料金割引券各3枚
・車内販売コーヒー割引券3枚
・ベックスコーヒーショップ・ベッカーズ ドリンク割引券3枚
・リラクゼ 料金割引券3枚

すべての人が利用する施設のみではありませんが、これらをフルに活用すればかなりの割引きになりそうです。

事業や商品/サービスなど

JR東日本はインフラ事業であることから、少子高齢化の進む国内事業においては需要の減少という課題を抱えることになります。東京圏では同業他社と比べると収益性は圧倒的なものとなりますが、流通業や不動産業といった生活サービス業に加えて、海外市場への参入への参入にも積極的に取り組んでいます。

そこで鉄道事業・生活サービス事業・IT Suica事業・鉄道車両製造事業の4つを経営の柱として展開しています。

たとえば生活サービス事業では、品川開発プロジェクトや中央ラインモール構想などの取り組みがあります。鉄道車両製造事業では、タイの都市鉄道向け車両新造をはじめ、世界の鉄道プロジェクトへ参画するなどの取り組みを行っています。

業績

JR東日本の業績を過去3期(3月決算)の推移で見てみましょう。

数値は上から、売上高・営業利益・経常利益・自己資本比率・自己資本利益率(ROE)一株利益(単位は一株利益と自己資本比率・ROE以外は百万円)となっています。

項目(一株利益と自己資本比率・ROE以外は百万円)2017年2018年2019年
売上高2,880,8022,950,1563,002,043
営業利益466,309 481,295484,860
経常利益412,311439,969 443,267
自己資本比率33.5%35.1%36.7%
自己資本利益率(ROE)10.91%10.48%9.96%
一株利益713.96749.20773.26

業績は好調に推移しています。インフラ事業となる鉄道は設備投資にお金がかかるので、どうしてもROEは低くなりがちです。実際にJR東日本の有利子負債は2兆8,373億円ほどあります(ただし利益余剰金も2兆7,000億円ほど確保しています)。

そのような中で、ROEが10%近くあるというのは、なかなか優秀な経営状況であると言えるでしょう。2018年度の日本企業のROEは、利益の伸び悩みを受けて9.8%となっています(日本経済新聞2019年1月7日)。

またJR東日本が2019年度における経営数値目標でも、ROEは10%としており、ほぼこれに近い数値を達成していることがわかります。

株価

JR東日本の過去5年間の株価(終値)推移を見てみましょう。カッコ内はその年の高値です(単位は円)。

株価(終値)年高値
2014年9,1239,268
2015年11,45012,815
2016年10,10011,505
2017年10,99511,570
2018年9,71111,615

2019年4月26日時点での終値は、10,465円(2019年高値は10,940円)となっています。

2015年につけた高値の12,815円を上回ることなく低く推移していることがわかります。日足のチャートを見てみると、75日移動平均線は上昇を続けていますが、15日移動平均線は4月に入って75日移動平均線を下抜き、さらに下落している25日移動平均線も75日移動平均線に近づいています。このまま25日移動平均線も下抜くようであれば、当面は下落基調が続くのではないかと思います。

しかし、信用倍率(信用売り残高に対する信用買い残高の割合)を見ると、信用売り残高がじりじりと減少していることに対して信用買い残高は増加しています。2019年3月22日の0.17から2019年4月19日は0.75になっています。これは投資家の買い意欲が強いことを意味しています。

JR東日本の2019年3月期決算説明会資料によると、2020年3月期の配当(年間)は165円に、さらに500万株あるいは400億円を上限として2019年5月15日から7月31日まで自社株買いを計画しているとしています。

自社株買いを実施すれば、1株あたりの利益配分が増えるので、今後のさらなる配当利回りの上昇が期待できます。株価も短期的に上昇する可能性があるので、これからJR東日本の株式を購入することを検討するのであれば、株価が下げている時期が好機かもしれません。

まとめ

株主優待に関しては、どれほど利用するかによって利回りは違います。鉄道に乗る機会が多い人、あるいは好きな人にとっては魅力ある内容かと思います。

業績に関しても経営状態を含めて今後も期待できるので、株式は長期保有を前提に安い時に購入するスタイルで、毎年配当金や株主優待を受け取るという投資スタンスがよいかと思います。

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