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会社の成り立ち

イオンは1758年創業の篠原屋が始まりです。1887年に岡田屋に社名変更し、1970年にジャスコと社名変更しました。そして1974年9月に東証・大証・名証の第2部に株式上場して1989年に「イオングループ」を発足しました。

2001年にグループ名称を「イオン」に改称し、2008年には持株会社に移行、総合スーパーの名称を「AEON」に統一して2013年にはダイエーを連結子会社にしています。

配当状況

まずはイオンの過去3期における配当金をご紹介します。

イオンの決算期は2月、中間決算は8月です。単元株は100株なので、たとえば2019年2月末日の決算で配当金を得る権利を得るためには、3営業日前の2月25日までに株式を購入するとして、

2,395円×100=239,500円

が必要になります。

※2月25日の寄り付き株価で計算しています

配当月配当月初の始値利回り年間の利回り
2017年2月期中間(8月)15円1,490円1.00%
2017年2月期期末(2月)15円1,630円0.92%(1.92%)
2018年2月期中間(8月)15円1,695円0.88%
2018年2月期期末(2月)15円1,870円0.80%(1.68%)
2019年2月期中間(8月)17円2,269円0.75%
2019年2月期期末(2月)17円2,208円0.77%(1.52%)

利回りは、それぞれの配当月(中間は8月、期末は2月)の月初で株式を購入した場合の計算になります。最後の列は年間の利回りのため期末のみ記載しています。

配当金は増加傾向にありますが、株価の上昇が大きいために、相対的には配当利回りは低下しています。2019年4月26日時点での東証一部の全企業における配当利回りの加重平均は2.34%なので、イオンの配当利回りは低いことがわかります。

2019年4月10日に発表した2020年2月期の配当金は、中間と期末ともに18.00円です。

2019年4月10日の始値は2,118円なので、この時点での配当利回りは0.85%(年間1.70%)となります。2018年末から株価は下落を続けているので、配当利回りは相対的に上昇しています。

業績については後で述べますが、順調に伸びている限りは株価下落は配当利回り狙いとしては買い時と判断してよいでしょう。

株主優待状況

イオンの株式を2月25日あるいは8月28日までに(2019年の場合)購入すれば、株主優待として優待カード(オーナーズカード)が貰えます。

これは半年の利用期間内での買い物金額に対して、返金率に応じた返金を受け取れるというものです。本人のカードと家族カードの2枚が届きます。返金は利用金額を計算して、10月あるいは4月に優待返金取扱店舗にて行われます。

ただし、株主権利確定日(2月末あるいは8月末)から約1ヶ月後に案内書が届き、手続きをしてからさらに1ヶ月ほど後にカードが届くので、それから8月末あるいは2月末までの利用となるので注意しましょう。

返金率は持株数によって次のように違いがあります。

保有株数優待利回り
100〜499株3%
500〜999株4%
1,000〜2,999株5%
3,000株〜7%

もし100株を2019年2月25日の寄り付きで購入し、8月末までに総額100万円の買い物をして3%の返金を得たならば、株主優待の利回りは次のようになります。

30,000÷239,500×100=12.52(%)

※ただし優待カードが届いてから実質5ヶ月ほどの間に、毎月平均で20万円相当の買い物が必要

中間決算と期末決算の2回でオーナーズカードを受け取れば、年間の利回りは単純計算で25%にもなるわけです。つまり4年間株式を保有すれば、元が取れてしまう計算になります。さらに3年以上株主を継続して保有していれば、1,000株以上の保有に対してイオンギフトカードも貰えます。

※繰り返しになりますが、これは年間で200万円相当の買い物をした場合の計算です

またイオンの株主優待カードの利点は、これだけではありません。イオン・マックスバリュ・ダイエーといった店舗での買い物だけではなく、イオンモールにおける専門店での買い物でも、このカードを使うことができます。

またイオンモールにあるイオン系列のレストランでは10%割引が適用されます。ほかにもイオンシネマで利用すれば、映画は大人1,000円子ども800円で観ることもできます。さらにイオンモールのラウンジではドリンクが飲み放題ですしお菓子も無料です。

このように配当利回りはそれほど特筆するものがありませんが、株主優待に関しては買い物の金額によっては驚異の利回りが期待できると言えるでしょう。

事業や商品/サービスなど

イオン株式会社は持株会社であり、実にさまざまな事業を展開しています。

事業サービス・サービス運営会社
GMS(総合スーパー)事業イオン(株)・トップパリュコレクション(株)など
SM(スーパーマーケット)事業ミニストップ(株)まいばすけっと・マックスバリュ・マルエツなど
ヘルス&ウエルネス事業ウエルシアなど
総合金融事業イオン銀行・イオン保険サービスなど
ディベロッパー事業イオンモール・イオンタウンなど
その他

業績

売上高は増加を続けていますが、営業利益は伸び悩んでいます。

イオンの売上のほとんどは小売事業が占めていますが、営業利益の半分以上は金融と不動産事業によるものです。金融は「イオンカード」によるクレジットカードの収入、不動産はイオンモールにおけるテナントの賃料収入などです。

しかし中核事業である小売業の利益率が低下していることにより、総合的には利益率の伸びは緩やかなものとなっています。

GMS(総合スーパー)事業の営業収益と営業利益を記載します。

GMS事業[2019年2月期]営業収益営業利益
第1四半期751,010△4,550
第2四半期1,534,689△5,860
第3四半期2,272,923△18,815

SM(スーパーマーケット)事業は以下のとおりです。

SM事業[2019年2月期]営業収益営業利益
第1四半期798,7802,071
第2四半期1,629,84811,119
第3四半期2,429,81913,171

SM事業は営業利益を増やしていますが、GMS事業は赤字を拡大しています。

次に総合金融業は以下のようになります。

総合金融業[2019年2月期]営業収益営業利益
第1四半期106,33417,452
第2四半期211,76731,951
第3四半期320,45247,460

ディベロッパー事業は次のようになっています。

ディベロッパー事業[2019年2月期]営業収益営業利益
第1四半期88,61313,124
第2四半期178,18725,439
第3四半期266,41037,043

※単位はすべて百万円

イオンの中核ビジネスである総合スーパーが赤字を拡大させていることがわかります。国内のGMS事業は、Amazonのようなネット通販との競争により、どの企業も苦戦しています。

その中でイオンは金融事業や不動産事業、そして営業収益・営業利益ともに増加しているヘルス&ウエルネス事業に支えられる形で業績は好調です。ビジネスモデルを環境の変化に応じてシフトできる強さが、イオンの業績が好調である理由と考えられます。

それでは、イオンの過去3期の業績を記載します。数値は上から、売上高・営業利益・経常利益・自己資本比率・一株利益(単位は一株利益と自己資本比率以外は百万円)となっています。

項目(一株利益と自己資本比率以外は百万円)2017年2018年2019年
売上高8,210,1458,390,0128,518,215
営業利益184,739210,273212,256
経常利益187,351213,772215,117
自己資本比率12.9%12.2%10.9%
一株利益13.4429.2328.11

株価

イオンの過去5年間の株価(終値)推移を見てみましょう。

株価(終値)年高値
2014年1,2131,484
2015年1,8682,033
2016年1,6561,872
2017年1,9021,949
2018年2,1492,792

2019年4月26日時点では、終値が2,054円になっています。日足チャートを見ると、下がり続ける75日移動平均線を25日移動平均線が下抜いているので、底をつけるのはまだ先ではないかと考えられます。

ただし信用倍率を見てみると、信用売残が増えている以上に信用買残も増えています。売り圧力も高いので、さらなる下落もありうる反面、買い圧力も高いので上昇し始めたら大きく上がる可能性もあります。

まとめ

イオンは売上高のほとんどを占める中核の小売事業は不振ですが、他の事業の利益率が伸びているので業績はまだまだ期待できると言えるでしょう。株価は下げ続けていますが、相対的に配当と株主優待利回りは高まるので、これから株式を購入するのには良い時期かもしれません。

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