吉野家ホールディングス(9861) 大幅赤字転落で苦しい業績も株主優待は魅力!配当は振るわず
牛丼屋の老舗として「吉野家」の名前は誰もが知っているのではないでしょうか。外食産業は厳しい状況となっていますが、吉野家ホールディングスもまたその環境の中で苦戦を強いられています。
その中で、吉野家ホールディングスの配当金や株主優待はどれほどの魅力があるのか、業績も含めてご紹介します。
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1 会社の成り立ち
吉野家の創業は1899年、日本橋の魚市場で魚河岸の職人のために牛めしを提供したのが始まりです。
1926年には関東大震災により築地に移転、1945年の東京大空襲で店舗を焼失した時は、屋台で営業しました。
やがてまた築地で店舗を出して1952年には24時間営業に取り組み、1958年に株式会社吉野家を設立します。1968年には新橋に2号店を出し、1978年には店舗数が200を突破しました。
しかし次第に牛肉の調達が厳しくなり、店舗拡大で資金繰りも悪化し1980年7月に会社更生法を申請して倒産、1983年にはセゾングループの傘下で再建に臨むことになります。そして1987年には更生債務100億円を完済して1988年に株式会社吉野家ディー・アンド・シーとなり1990年に株式を店頭公開、2007年に株式会社吉野家ホールディングスへ商号変更して100%子会社の株式会社吉野家を設立しました。
今や外食インフラの一つとなっている吉野家ですが、意外や意外、今に至るまでは前途多難な沿革を辿ってきていることが伺えます。
2 配当状況
吉野家ホールディングスの配当は年に2回、8月末の中間決算と2月の期末決算の権利確定日に株式を保有していれば受け取れます。単元株100株に対していくらという形で決まります。
吉野家ホールディングスの過去3年の配当金は以下のとおりです。
タイミング | 配当 | 配当月初始値 | 年間配当利回り |
---|---|---|---|
2016年2月 | 10円 | 1,479円 | |
2016年8月 | 10円 | 1,455円) | 1.37% |
2017年2月 | 10円 | 1,629円 | |
2017年8月 | 10円 | 1,872円 | 1.14% |
2018年2月 | 10円 | 1,941円 | |
2018年8月 | 10円 | 1,896円 | 1.05% |
2019年2月 | 10円 | 1,728円 | 0.58% |
カッコ内はそれぞれの配当月初の始値です。各年の最後に、年間の配当利回りを記載しています。2019年はまだ2月期の配当しか出ていないので、その分の利回りのみを計算しています。
株価は上昇しているのですが、配当金を据え置いているので配当利回りは低下しています。
吉野家ホールディングスは、株主への安定的かつ継続的な利益還元を基本としながらも、成長に向けて内部留保の充実等を統合的に勘案するとしています。つまり、有事の時に備えて利益余剰金を積み上げているということです。
平成31年1月31日の第3四半期決算短信によると、平成30年11月30日時点での利益余剰金は353億8,600万円となっています。同年2月28日時点では382億3,600万円なので、減少はしていますが十分な余剰金を積み上げていることがわかります。
配当金はこの利益余剰金から支払われます。株主の利益を最優先するか、それとも会社の成長のために使って株主利益を確保するのかは、それぞれの企業の方針によって変わります。
ちなみに吉野家ホールディングスでは、中間配当は取締役会で、期末配当は株主総会で決議し決定しています。
短期の株主に取っては配当を優先すべきと考えがちですが、長期の株主はその利益余剰金を投資にまわしより強い会社になっていくのを望みます。より事業を成長させられれば、株価もあがる可能性が高まりキャピタルゲインも期待できます。
3 優待状況
吉野家ホールディングスの株主優待は、2月の期末と8月の中間決算時に配布が決定します。2月末分は5月上旬、8月分は11月中旬に発送されます。
2019年の株主優待は、以下のとおりです。半期毎の配布なので、年間では以下の2倍の枚数を受け取ります。
保有株数 | 株主優待内容 | 換算 |
---|---|---|
100〜999株 | 300円のサービス券10枚 | 3,000円 |
1,000〜1,999株 | 300円のサービス券20枚 | 6,000円 |
2,000株以上 | 300円のサービス券40枚 | 12,000円 |
たとえば2019年2月1日の寄り付きで株式を購入したとすれば、それぞれの利回りは次のようになります。
株数 | 優待利回り | 年間利回り |
---|---|---|
100株 | 1.73% | 3.46% |
1,000株 | 0.35% | 0.70% |
2,000株 | 0.35% | 0.70% |
カッコ内は年間利回りです。株主優待利回りが高いのは、単元株の100株だけ保有している時であることがわかります。配当利回りと足せば、年間利回りは4%を超えることになります。
このサービス券は、吉野家・はなまる・アークミール・京樽の店舗で使用できます。使用時にはおつりは出ないので注意しましょう。
小腹がすいたので、吉野家の株主優待使って「豚丼」。 pic.twitter.com/Mb0Tr6HhxC
— N yuya (@NYuyanunogaki) 2019年4月24日
吉野家の優待券を利用してスパイシーチキンカレーをたべました。吉野家のなかでは割りと好きかも pic.twitter.com/emSZZ9wO5q
— ナツマメ (@natumamesan) 2019年4月22日
4 事業や商品/サービスなど
吉野家ホールディングスの事業は、国内吉野家事業・海外吉野家事業・京樽事業・どん事業・はなまる事業・他事業となっています。2019年3月時点で店舗数は、以下のとおりです。
業態 | 店舗数 |
---|---|
吉野家 | 1,211店舗 |
はなまる | 512店舗 |
アークミール | 169店舗 |
京樽 | 332店舗 |
その他 | 222店舗 |
海外にも展開し、たとえば吉野家は台湾69店舗・上海11店舗・青島19店舗・深圳51店舗・北京241店舗・香港63店舗などどなります。
5 業績
吉野家ホールディングスの業績を過去3期(2月決算)の推移で見てみましょう。決算の発表は4月11日なので、2019年3月時点でまだ2019年2月の業績発表はありません。
数値は上から、売上高・営業利益・経常利益・自己資本比率・一株利益(単位は一株利益と自己資本比率以外は百万円)となっています。
2016年 | 2017年 | 2018年 | |
---|---|---|---|
売上高 | 185,738 | 188,623 | 198,503 |
営業利益 | 1,613 | 1,865 | 4,019 |
経常利益 | 2,344 | 2,750 | 4,604 |
自己資本比率 | 51.7% | 49.4% | 49.5% |
一株利益 | 13.10 | 19.35 | 23.11 |
売上高や経常利益などは企業によって違いますが、業績の良し悪しを比較できる指標があります。自己資本比率を見ると、経営が安定しているか危ないかの判断が可能です。
自己資本比率とは、返済の必要がない自己資本が全体の資本調達の何%であるかを示す指標です。借入金か少ないほど自己資本比率が高まり、倒産のリスクが少なくなります。一般的に40%を超えると倒産のリスクは少ないとされます。
もちろん、成長のための借入金を増やせば自己資本比率は少なくなりますが、企業はより多くの資金を使って事業を拡大することができます。吉野家ホールディングスは、業界全体の動向やシェア拡大の難しさから、ある程度は自己資本比率を高める経営方針であると考えられます。
気になるのは、2018年8月の中間決算です。8月中間決算の売上高・営業利益・経常利益は次のようになります。
2016年 | 2017年 | 2018年 | |
---|---|---|---|
売上高 | 93,418 | 97,689 | 100,399 |
営業利益 | 945 | 2,136 | 55 |
経常利益 | 1,178 | 2,448 | 332 |
かなり数字が悪化しているのがわかります。2018年8月期利益は赤字に転落します。これは、原材料価格の高騰と、人手不足による人件費の高騰が理由のようです。
本日引け後に第3四半期の決算を発表した吉野家の数値が悪いですね😱明日9時に寄り付かなかったら成り行き買いで2名義分注文出します🙋🏻本日後場に急落したので買うか迷いましたが買わないで正解だったみたいです😟配当目的やら株主優待目的やらなかなか頭を使います🙋🏻
— ふーみん (@fu_min7) 2019年1月10日
6 株価
吉野家ホールディングスの過去5年間の株価(終値)推移を見てみましょう。カッコ内はその年の高値です(単位は円)。
年 | 株価 | 年高値 |
---|---|---|
2014年 | 1,384 | 1,567 |
2015年 | 1,561 | 1,600 |
2016年 | 1,604 | 1,612 |
2017年 | 1,913 | 2,019 |
2018年 | 1,808 | 2,275 |
2019年3月25日時点では終値が1,750円となっています。日足チャートを見ると、75日移動平均線は2018年7月から下げ続けています。信用倍率を見ても、2019年1月25日の1.28倍(信用買残が信用売残の1.28倍であることを意味する)から2月22日の0.25倍まで下げ続けましたが、3月22日時点では0.5まで回復しています。
移動平均線は15日と25日も揃って下げているので、上昇トレンドに転じるのはまだ先のようです。株主優待の金額を維持するのであれば、少しずつ買い増していくのもよいかもしれません。株主優待利回りは株価の下落に伴い上昇するからです。
まとめ
長いこと抱えている、吉野家と松屋の株が全然下がる気配を見せない。強い。
— こつこつ (@safe_trade_) 2018年12月17日
配当と優待、貸株分のお金も小遣い程度だけど受け取れているので、今の所プラス要素しかないわ(^q^)
吉野家ホールディングスは経営基本方針に新しい市場創造、新しいビジネスモデルの取り組みを掲げています。外食産業は人手不足などにより厳しい環境が続きますが、守りに入らずに攻めの姿勢を見せる吉野家ホールディングスに期待する方は、株主優待を得ながらその成長に投資するのもよいかもしれません。
吉野家さんのこれ、ユニークで良いですね!会長と社長の食べ方。 pic.twitter.com/hN3BIYiSfV
— Satoshi Onodera / US🇺🇸Tech Marketer🥑🔥 (@satoshi_gfa18) 2019年4月15日
最近では社長や会長の吉野家の食べ方という面白い企画も行われており、SNSでもバズっていました。シンプルな企画ですが、吉野家に行ってみたくなる良い試みですね。
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